葬儀のしきたり

お祝い事にしきたりがあって縁起を担ぐように葬儀においてもしきたりがあります。
父は自宅で亡くなったのですが父が亡くなるとすぐに隣のおばちゃんがお悔やみに来て、たちばさみを持って来なさいと私に言いました。
この世との縁を断ち切り成仏できるように刃物を枕の下に置くのだと言います。
又、亡くなった当日は時間にもよりますが仏様として布団に寝かせるようで父も和室に仏様として寝かしていたのですが神棚が和室にあって白い布か紙で隠すように言われました。
葬儀が終わっても暫くはそのままで一般的には忌が明けるまで神棚は隠し神社へのお参りもしてはいけないと聞きます。
玄関の軒先にも白い布をぶら下げるのにも同じ意味があるようですが、その意味はと言うと神様は死は穢れとされていると言う事の様で死人が出た家はその家に住む物が穢れていると言われた為の様です。
出産も同じ様に穢れと言われるようで人の生と死は神聖な出来事で避けては通る事が出来ない出来事なのにと少し疑問を感じました。
子供の時に北枕でねると母が縁起が悪いと怒っていましたが亡くなった人は北枕にしないといけないとも聞きます。
その理由はと言うとお釈迦さまが入滅された時の寝姿が頭を北に向けて顔を西に向けていたからだと聞きました。
亡くなった当日は一晩仏様として布団に寝かせるのですが枕元には線香とろうそくがあって一晩線香とろうそくの火を消してはならないと言われました。
線香やろうそくの灯が消えると真っ暗で道に迷うからだと言われ私は亡くなった父の横に布団を敷いて一晩線香とろうそくのもりをしていました。
結局一睡も出来ずにいて今にも父が起きて来そうで父は生きているように思えました。
父の死が理解できずに別世界の事の様に思いながら一晩父と過ごしました。
他にも死装束の着物は左前だとか足袋は逆さに履かずとか数をあげればきりがない位多くのしきたりがあります。
昔からの風習やしきたりは随分と薄れて行ったように思う中で葬儀のしきたりだけは何年たっても変わることなく受け継がれているように思います。
ある程度は簡素化され葬儀の夜に初七日を済ます人も多く法事も身内だけで簡単に済ませる事もありますが法要だけはきちんと済ませている人が殆んどです。
母が亡くなり今年は七回忌を迎えます。
父の十七回忌は済ませたので次は二十三回忌です祖父の法要はどうなっているのか私には解らなくなっているのですが父と母の法要の時に一緒に済ませてしまおうかなどと思ったりもしています。
ですが私が元気な間は父と母の供養をすることが私に残された役目だと思っています。